葬儀場に宿泊する際、意外と頭を悩ませるのが「夜食」と「翌日の朝食」をどうするかという食事の問題であり、通夜振る舞いの残り物で済ませようと考えていると、思わぬ落とし穴にはまることがあります。通夜振る舞いの料理(オードブルや寿司)は、衛生上の観点から、食中毒を防ぐために持ち帰りを禁止されていたり、宴席終了後にすぐに業者が回収してしまったりすることが多く、夜食用に残しておけないケースが一般的です。そのため、宿泊するメンバーの夕食や夜食は別途手配する必要があり、葬儀社にお願いしてお弁当や軽食を用意してもらうか、自分たちでコンビニやスーパーに買い出しに行く必要がありますが、深夜になると近くのお店が閉まってしまうような立地の斎場もあるため、事前のリサーチと確保が欠かせません。また、翌朝の朝食に関しては、さらに注意が必要で、葬儀社によっては「朝食セット(おにぎりやサンドイッチ)」のオプションを用意してくれるところもありますが、頼み忘れると朝から何も食べるものがないという悲惨な状況になり、空腹のまま告別式に臨むことになってしまいます。さらに、斎場の給湯室にはポットやお茶セットはあるものの、電子レンジやトースターがない場合も多く、冷たいお弁当しか食べられなかったり、カップラーメンを買ってきたけれどお湯が足りなかったりといった細かいトラブルも発生しがちです。親戚の中には「朝はパンとコーヒーじゃないと駄目」という人や、「和食がいい」という人もいるかもしれませんので、それぞれの好みに対応するためには、やはり自分たちで前日までにパンやおにぎり、インスタント味噌汁などを多めに買い込んで持ち込むのが最も確実で安上がりな方法と言えるでしょう。食事は悲しみの中にいる遺族にとって貴重なエネルギー源であり、束の間の息抜きの時間でもありますから、ひもじい思いをしないように、少し多すぎるくらいの食料と飲み物を準備しておくことが、心穏やかな夜を過ごすための秘訣です。